「TOTO通信 2025年 新春号」掲載のお知らせ
すでにご高覧くださった方もおられるかと思いますが
書店販売誌ではなく、
全国のTOTO関連また建設設備会社様の配布誌となります
TOTO通信 2025年新春号
特集 沖縄のふたり 開放性スタディ
34頁〜41頁まで(8頁に渡り)掲載されております。
折角の機会なので、私が思わず感嘆の息が漏れた箇所を抜粋させて頂きたいと思います。あくまでも、知識豊富なライターさん個人の主観と 私個人の感嘆であることご理解くださいませ。
▶︎寝室棟について
寝室は南北両面に大開口
(前略)(中略) なるほどここが絶景というに足る「石蕗」のハイライトだと憶測されるものの、訪れた日は迷走する台風のために遠景はかすみ、陸地も海も判別できない。その代わり、急変する天候がもたらす意想外の光景の展開があった。黙雨が葉を揺する。しぶきが散り、白くけむる。オオシマゼミの甲高く変調の鳴き声が雨音を切り裂く。かと思えば一転、日が差して緑が濃さを増し、下草にまだら模様が描き出され、鳥が奇声を発しながら枝を渡る。猛々しさと幽玄とがめまぐるしく移り変わる。ゴーギャン、田村一村、ルソー、かと思えば水墨の山水、等伯の松林・・・・…。
▶︎食事棟について
庵のような食事棟
平安の昔、漂泊の詩人・西行が吉野の山深くに侘び住まいした西行庵、鎌倉の昔、鴨長明が世の無常を記した醍醐日野山中の方丈庵。どちらも正方形平面の小さなワンルーム。それが連想の引き金となったのか、西行庵、方丈庵と「石蕗」食事棟に流れる時間が時空を超えて響き合っているかのような想念にとらわれる。
▶︎レセプションについて
板戸を引いて入ると、正面に点前の設え、低い天井に障子越しのやわらかな拡散光。立礼茶席の風情である。1組だけの特別な客であることが自ずと理解され、ここが静寂の調べが通奏する場所であることが暗示される。
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日々、店主と私のふたりで切り盛りしておる為、自身ではなかなか気付かないことばかりですが、建築好きなお客様がお越しになられますと、世界中のいろんな場所や、時代の人名をこのように取り入れながら語らってくださります。その度に、その一つ一つを巡りたくなるのですが、なかなかの出不精さに参っております。
全文において素晴らしいご紹介文とユーモアある内容でしたので、全てを記載したい思いではありますが、文字数制限があるため果たせませんでした。本文 〆に際してライターさんが次のように書いて下さってますのでそれを追記とします。
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▶︎本文〆について
(前略)(中略)
こうして森の声を聴き、森の求めを感得しながら進められてきたプロジェクトが完成してから2年たつが、それはまだほんの序奏にすぎないのだろう。
これから先、風月の恩恵を得て、4つの小屋はさらに森に溶け込み、フィナーレを知らない悠久の時が刻まれ続けていくにちがいない。
TOTO通信 和田さま
この度は丁寧な取材と掲載をありがとうございました。
〆の部分を謙虚に受けとめながら、これからも石蕗の森と建築を守り育てていきたいと思います。
▶︎下記URLよりWEBでもお読みいただけます。
https://jp.toto.com/pages/knowledge/useful/tototsushin/2025_newyear/case04/